もうすぐパリ五輪開幕!頑張れ甲斐優斗選手

優斗には、どんな景色が待っているのだろう?

 

7月27日に開幕するパリオリンピック。

男子バレーボール日本代表チームに日南振徳高校出身の甲斐優斗選手がアウトサイドヒッターとして選ばれました。

 

優斗選手が全国にその名を知らしめたのは、コロナ禍の2022年、雪の舞う東京体育館にて無観客で行われた『春高バレー』

 

 

試合を勝ち上がるごとにその存在感を示し、高さとパワーでチームを引っ張り、県立高校かつ全員が宮崎県出身(春高上位チームのほとんどが私立高校で全国から選手を集めています)というチームで全国3位に輝きました。

 

(ちなみに、監督の鍋倉先生のご好意によりトレーナーとして帯同していた私もメダルをいただきました)

 

解説の方々も「将来日本を背負っていく選手だ」と大絶賛のポテンシャルを発揮した優斗選手ですが、高校3年間のほとんどは寝ていました。笑。

 

高校入学時は185cmだった身長がコロナの緊急事態宣言下で学校生活も部活動も停止。

その間、アスリート道場BUSHITSUでトレーニングをしつつも、その殆どを寝て過ごしていました。

それが功を奏したのか、身長がメキメキ伸びて、気がついた時には2mに・・・

優斗選手がコロナ期間に過ごした場所

 

 

 ただ、喜ばしいことばかりではありませんでした。

急激な身長の伸びに、骨の強度や筋肉がついていかず、1年生・2年生の時はジャンプ禁止の時期や練習ができない時期もありました。

 

今でもそうですが、高校時代から感情を表に出すタイプではなく、きっと内心はいろんな気持ちがあっただろうけどいつも淡々と出来ること、やれることに取り組んでいる・・・そんな姿がありました。

 

高校3年生になり、やっと少しずつ思うようなプレーができるようになり、インターハイベスト8を経て前述の春高と一気に注目選手へと駆け上った優斗選手ですが、当時の彼は全日本やオリンピックには全く興味がなく、様々なバレーボール関係者に「将来の日本のエース」と言われても本人にはそんな気は全くない様子でした。

 

 

そんな優斗選手と春高後のミーティングで

 

「どんなに目指したくても、どんなに努力してもそのステージに立てない選手もいる。そんな中、優斗は身体的にも技術的にもそのポテンシャルを持っているのだから、一回、高みを目指してみるのも“あり”なんじゃない?もし、全日本とか世界の舞台に行ってもてもつまんなかったらやめたらいいだけの話だし」

 

なんて話をしたのを覚えています。

彼が覚えているかどうかは謎ですが・・・

 

きっと、彼がそこ(全日本やオリンピック)を目指せば近い将来そのステージに立てるだろうとは思っていたけど..

まさか、こんなに早くその時が来るとは思ってもいませんでした。

 

2023年のネーションズリーグ後、帰郷の際にBUSHITSUに顔を出してくれ、子ども達に銅メダルを見せてくれたり、抱き上げて2mの視界を体験させてくれたり、ボールを出してレシーブの体験をさせてくれました。

 

その時、「オリンピックの最終メンバーに残る可能性ってどのくらいあるの」と聞くと「石川選手や高橋藍選手と同じポジションだから相当頑張らないとですね~」と言っていた優斗選手。

 

 

2023年は全日本のチームの中でも周りが気遣って声をかけてくれているような様子も伺えたけど、2024年のネーションズリーグの時はすっかりチームにも溶け込んで、しっかりコミュニケーションがとれている様子で、この1年、海外リーグ挑戦や全日本の合宿、代表としての試合を重ね、いろいろな経験をしてきたのだろうな~と

 

オリンピックメンバーの発表時のブラン監督のコメントに、

「彼には子供はいらないと伝えた。それにしっかり応えてくれた」

とありました。

 

もちろん、リリーフサーバーとしてのサーブ力や高さを活かしたスパイク、ブロックなど彼に期せられた技術的な課題もたくさんあったと思うけど、それ以上に人として、選手として、大人としての関わりをあのレベルのチームで学んでいるのだな~と、感慨深い気持ちになります。

 

 

 

きっと今回の選考には将来を見据えた時に、今の石川選手や高橋選手がそうであるようにエースとして日本チームを引っ張っていく選手になることを期待されての選考だと思うので、オリンピックでたくさんの経験をして優斗にしか見えない景色を見てきてほしいな~と思います。

 

そしてまた、

 

「ピッカピカのメダルを子ども達に見せにきてくださいね!」

 

渡辺 なおみ


以下、BUSHITSUに来てくれた時の様子です。↓